留学生からのメッセージ②

唐沢 暁さん

 オランダのグローニンゲンに来て早2年半が経ちました。この町に住んで感じたこと等を書いてみたいと思いま す。僕がこの大学に来た経緯は、2008年春に阪大理学研究科生物科学専攻の博士後期課程を修了した後、海外で自分の力を試してみたいという強い希望から ITPプログラムに応募しました。それまでグローニンゲンという名前すら聞いたことありませんでしたが、受け入れ研究室を探しているうちに、偶然僕の専門 分野に非常に合致した研究室があることがわかり、こちらの教授も最初の4ヶ月はITPの資金援助でポスドク候補として受け入れてくれました。幸運にもその 後ポスドクとして2年間雇ってくれることになり、去年さらにもう1年契約を延長しないかと誘われて現在もここで研究を行っています。

 一番 の不安はやはり言葉の問題でした。オランダ人は高齢の方を除いてほぼ英語が話せるのですが、ここに来るまでまともに英語で会話したことありませんでした。 案の定オランダの入国審査官の質問が理解できずに怪しまれましたし、教授に初めて会ったときに言われた英語も全く理解できませんでした。ここに来て最初に した仕事が外国人向けに大学が開講している英語コースの申請だったと記憶しています。今でもまだまだぎこちない英語ですが、英語漬けの毎日を過ごしている おかげで、仕事のことで議論したり学生の指導ができる程になりました。英語コースを受講してよかったことは英語の上達というより外国人の友達ができたこと だと思います。家のパーティに呼ばれたり一緒に食事や映画を見に行ったりと私生活を楽しむことができました。英語の授業で練習するよりこうした私生活で友達と会話していたことのほうが上達の助になっていたと思います。

 この町は非常に治安が良く、夜中でも一人で出歩けるほどです。また学生が 多いため町の中心は夜中でも活気があります。若い人にとってとても住みやすく楽しめる町だと思います。オランダは労働時間が厳しく制限されているそうで、 ほとんどの店は夕方5-6時、スーパーマーケットでも8時でたいてい閉まってしまいます。日曜日は終日店が閉まっていることも多いです。研究室の人達も夜 遅くまで残ることはほとんどありませんし、土日も来ません。研究室での労働時間は日本に比べれば断然少ないと思います。オランダ人は朝早く来ますが、夕方 5時頃には帰宅します。それでも研究室の業績を見ると日本に劣っているわけでもないので、各自限られた時間で効率よく働いていると感じています。この大学 で研究をすると自分の時間が非常にたくさん取れて、近隣のヨーロッパ諸国にも旅行しやすく、とても充実した時間を過ごせると思います。